ルーツを巡る

兄と観音様巡りをして来た。

干支によって、守り本尊が違うらしく、
(ご興味のある方どうぞ)
http://www5.synapse.ne.jp/~todoroki/siryou/et-honzon.htm
私と兄嫁は大日如来。
娘と姪は普賢菩薩。
母は文殊菩薩。
と、バラバラである。
で、まあほとんどの観音様を巡らないといけないワケだが。

娘の心身の健康と合格祈願はせねばなるまい。

夕方には帰るというのに、慌ただしく出発。

街中にある普賢菩薩。
娘の心身の健康を。切に願うわ。
神や仏に頼ってどうなるもんでもないかもしれないが、
こういう時は、やはり神頼みになる。


途中、母の実家の寺に寄る。
ここからは、とがみ山がよく見える。
山形市の南外れ。


母の実家は、とても古い昔ながらの集落だ。
実家はついこの前まで、茅葺き屋根だった位だから、
昭和どころか、時が止まっている。
その古さは、何か漠とした怖さがある。
薄暗い部屋。
黒光りした重い木の扉の向こうには、何があるのか。
怖くて開ける事が出来なかった。
実家には、蔵があり、剥製や、古い美術書などの不思議なものが沢山あった。
その怖さを、よく兄と話をする。
その中で、実家近くのお寺の話によくなる。
お寺の奥には、小さな博物館らしきものがあり、大きな機織り機があった。
とか。
蔵の中に、観音様が3つ並んでいて、その1つが顔が黒くて、
吸い込まれるようにとても怖かった。とか。
どれも、自分達が小学校低学年の頃の記憶だ。
皆が覚えているものもある。誰も覚えてないものもある。
そんな話をしながら、ドライブしていたので、
じゃじゃじゃあ、行ってみようじゃないか!
確かめてみようじゃないか!となった。


明円寺の境内に入る。
兄がいうその蔵は確かにあった。
けれど、そこは鍵がかかっていて、とても観音様がいるような状態ではない。
しかも、兄がいうその観音様は、
私は一度も見た事もないし聞いた事もなかった。
ホントか~?
夢でも見てたんじゃないのか?
と疑いながら、住職さんに話を伺ってみた。

果たして、三観音様はいた。
そもそも大切な書物を入れている蔵なのだが、
そこに三体の観音様が鎮座しているらしい。
兄の記憶にある、1番右の観音様は顔が黒いという事実も合っていた。
おおお!
ただ、そもそもその蔵は非公開なので、見せる事は出来ないと、
実際に中を見せてはもらえなかった。
では何故、その中身を兄が知っているのか?
住職も、自分が知っている限り、先代も公開した事はないので、
あるとすれば先先代の住職で、書物の虫干しとか、
何かたまたま開けている状態の時に、兄達が見たのではないかと言っていた。
兄が小学校低学年なら、私は幼稚園児。歩いて行ける距離ではないから、
一緒に行ってはないのだろう。

謎は解けた。

そして、お寺の裏の博物館。
名前を尚古館という。
http://loco.yahoo.co.jp/place/g-dFCY315EFeI/
ここは幼少の頃、連れて行ってもらった記憶がある。
大きな機織り機が、光を浴びていたのを覚えている。
ここには、我が家が離れに豚小屋を建てる時に、
貴重な土器や石器が見つかり、それが収められているのだと、母に聞いた。

特に今は公開していないが、見たいなら鍵を開けてくれると言う。
お願いします!お願いします!

暗い…
こんなだっけ??

第一印象は、まるで違った。
真っ黒な、茅葺き屋根の内側の天井のない家内がある。
幾重にも重なったような茅葺きが、ススで真っ黒に燻されており、
梁が剥き出しになっている。
その下に囲炉裏。
よく見る、ぶら下がった自在鉤もある。
藁で出来た簑や草鞋や竹籠が飾ってあり、
よく見たような、古き日本家屋の時代セットのようだった。
この完成度は、どこの映画村のセットにも敵わない。だって全部ホンモノだもん。
すげえ!

「機織り機は?どこですか?」
と尋ねて、住職に指差されるまで気付かなかった。
その土間の隅に、ぼろぼろになった絹糸が付いた機織り機があった。

こんなだっけ⁈!つか、こんなに小さかった?!
大きくて立派だった記憶の機織り機は、小さくて小さくて、
ずっと質素なものだった。
あの頃は、ちゃんと糸が絡んであって
糸を手繰ったり寄せたり出来そうで、とてもわくわくしたが、
時代の風化に晒され、糸はほとんど切れていた。
嗚呼、これがあの…
画像はかなり明るくしてあるが、実際は薄暗い中、静かに佇んでいた。


その左奥に、博物館然としたガラスの陳列ケースが並んでいた。
確かここに、我が家から出て来た土器類が飾られてある筈。
あった。

そういえば、こんなだった!
全く忘れていたが、見た途端、思い出した。

どうややウチから出た土器は、
幼くして亡くなった子供を埋葬する為の甕らしいのだ。
このような土器は日本中でも珍しく、この前名古屋からおエライさんが、
わざわざこの土器を見に来たと、住職が説明してくれた。
意外と我が家って、スゴくない?
遥か昔の時代では、あの辺りはとても栄えていて
豪族が贅を尽くしていた街だったのかもしれない。
ロマンだなあ。今見る影もないなあ。

この絵を衝撃的に覚えている。いた。
なんとなく怖かった。

記憶は無くなる訳ではなく、意識しない深い所へ沈んでいるだけだ。
と誰かが言っていたが、実感。


謎は解け、ルーツを巡るとまた発見があり、懐かしいだけではない、
畏怖の念や日本家屋の怖さなども思い出した。

巡ってみるもんだ。


近くの塩出文殊観音様へ向かう。
http://yamagatakanko.com/spotdetail/?data_id=1580
ここはかなりの山の上。
途中に湧き水があり、水を飲めるようになっている。
湧き水が山の斜面を下り水路になる。
そのせいか、この辺りは深く苔むし、
日本庭園のような趣きがある。

遠い。紫陽花に囲まれて参道を歩くには、かなりの距離。

我々はショートカットで、途中まで車で。

ありがたいですなあ。

文殊様だけあって、合格祈願の絵馬だらけだ。
娘の合格祈願をする。

小京都の佇まい。
多分、観音様を管理している家だと思う。参道の横に、
瀟洒な古民家が建っており、池があり庭があり、素敵な家屋だった。

参道には、そこかしこに石像が建っている。
風情ある参道だが、結構急勾配で、そこそこ歩くのキツい。


入り口に建つ古風な日本家屋。
少し小高い山の中腹に建っている感じとか、その外見とか
まるで横溝正史の世界である。
ここでどろどろの殺人事件が起きる感じだが、決して嫌いではない。
むしろ、スゴく好き。
なんなら、こういう家屋に住みたい。

蔵があって、家の前に池があって、大きくて広い庭。
昔の姿そのままに、古き良き時代を強く薫らせている瀟洒な造りの旧家。
いいなあ。
でも実際嫁いだりしたら、細かいしきたりとかで面倒そう。


田舎には鉄塔が沢山。
かなりタイムスリップした感じだが、街中からほんの少し走っただけだ。
田舎には、少し行けば、こんな景色が山ほどある。
ひっそりと忘れられたような、価値あるものがごろごろしている。



戻ってすぐに、荷造りを終わらせて出発。もう良い頃合いだった。
東京へ戻る為に、地元駅のホームに立つ。
寒い。
これが正しい季節の寒さだろう。
あっという間に夜が来て、寒い冬が来る事を連想させる。

新幹線のホームから。

もう夜が来る。
外が暗くなると、中が明るくて、外の景色に反射する。




サヨナラ。山形。

眠気とともに、田舎への旅も終わる。
今回は自分のルーツを深く意識した。
幼少の頃。楽しかったばかりではない自分の子供時代。
それでも、愛されていた。自分を受け入れてもらっていた事を意識した。
実りはあった。

寒そうな夜のとばりが降りる。



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やうやく風邪から復活。
ふと気付けば、
もう7月も後半。

夏だった。
いきなり夏を
満喫したい欲求が
むくむくと。


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